韓国の女性シンガーソングライターの研究書

新聞・雑誌記事、解説書や各分野で活躍されている人達のインタビュー
記事などシム・スボンさんを応援するメッセージの紹介コーナーです。

韓国の女性シンガーソングライターの研究書「歌手を語る」に書かれた評伝

著者：パク・ヨンミ　（出版日：2012-10-20）

1978年、第2回「MBC 大学歌謡祭」で「あの時、あの人」をピアノ弾き語りで初披露した女学生シム・ミンギョン（シム・スボン）に当時ロックやフォークに夢中の若者達はあまり関心を示さなかった。
しかし、この歌は水底に当たる陽の光のように静かに着実に大衆の心を捉えていった。何よりも当時では破格の契約金でレコード会社と契約を締結したことはシム・ミンギョンへの大衆の関心がいかに集中していたかを物語っている。まもなく名前はシム・スボンに変わった。
彼女はテレビなどのマスメディアで常にフラッシュをあびる流行歌手のような派手な露出とは縁遠かったけれど、「男は船、女は港」、「愛しか私は知らない」、「憎い」、「ビナリ」や「百万本のバラ」などが発表される時ごとに水底愛の大衆の絶大な支持を受けた。
1984年に発表された「男は船、女は港」では、人々は最後の歌詞「男はみなそうだ！」をもじって「女はさらにそうだ！」という流行語を作るほど男女の話しに夢中になった。
シム・スボンの神秘感は必然的に生まれた。多くのスターが明滅したが彼女のような神秘感と直結できる存在は少なかった。イ・ムンセは「大学文化と成人文化との連結の輪を自然に作って与えた人」として、私はシム・スボンを愛すると書いた。
彼女の神秘感が蓄積されるにはその数奇な人生経歴が大きい役割を果たしている。1979年と1981年に晴天の霹靂の政治事件に遭遇し、歌手活動は終わった。1982年にはNHKが日本人歌手との合同演奏を提案したが出国が許可されずあきらめなければならなかった。その後は姿を見せない作曲活動がすべてであった。時代や政治状況に翻弄された被害者であり犠牲者だった。
彼女は不遇な政治事件にからまったことで神秘感を醸し出したという見解には決して同意しない。歌手は音楽で評価されるべきであるとして、そのような見解が存在することを悔しいと述べている。
シム・スボンの美学は絶妙でリアルな歌詞にある。人々が実感し納得できるように届きながら決して俗っぽくない表現に皆感心する。もちろんシム・スボンの歌で表現される男は恋愛や性的対象ではなく彼女自身をかばう保護者を意味する。
現在、年齢50をはるかに越えながら相変わらず少女のように清楚でか細い彼女の容姿も支持される一役を担っている。シム・スボン独特の音色の個性の側面では他の追従を許さない。男でも女でもそのボイスに吸いこまれていってしまう。しかし、シム・スボンの歌をまねしようとしても息継ぎが難しくて曲についていけないという場合もいくらでもある。
シム・スボンが歌手としては非常に珍しい作詞・作曲能力を持つことを誰もが認めている。それはピアノ、ドラムなどの楽器をマスターして体得したリズム感覚も役立っていると思われる。
音楽的力量を確かめようとする欲求もまた強烈で2002年には外国音楽習得のためニューヨークに長期間滞在した。
シム・スボンの人気は演歌の勝利であり大衆の凱歌でもある。素直に自身の感性に従った見えない大衆が水底のシム・スボンを生みだしたのである。
コンサートも休むことがない。
彼女は言う、「音楽で人生をつくしても私を愛してくれた大衆に恩を返せないだろう」と。

この書は著者の大学生が学位論文（修士）にまとめたものだそうです。韓国の７０年代から80年代に出現した女性シンガーソングライターについて研究した内容が書かれています。その80年代を代表する歌手としてシム・スボンさんが104～110頁にわたって取り上げられていて嬉しくなりました。
この本はソウルのどの書店でも置いてなくてあきらめかけていましたが、いつもコンサートチケットを購入してくれているイ・ユンジョンさんに探してもらってようやく入手できたものです。
シム・スボンさんの研究論文という興味もあって要約を紹介させていただきました。

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　開設日：2011.04.25
　更新日：2024.09.15

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シム・スボンさんが「名誉の殿堂
トロフィー」を受賞
(2024.04.12)

「トロットミュージックアワード2024」（TROT MUSIC AWARDS 2024、以下「TTMA 2024」）授賞式が2024年4月12日午後、ソウル麻浦区SBSプリズムタワーで開催され、シム・スボンさんが「名誉の殿堂トロフィー」を受賞されました（下の写真）。
「TTMA 2024」は、これまでトロットジャンルで活躍を繰り広げたレジェンド歌手から未来を担う新人歌手たちまで28人が出演して、K-ポップに次ぐグローバルK-トロットスター勢揃いという位置づけで企画されたプロジェクトだそうです。
シム・スボンさんの音楽は、いわゆる日本の演歌のようなトロットのジャンルからは外れていて、バラード風セミトロットとか評されてもいますが、歌詞もメロディーも、そして歌声の切なさも余人にはマネのできない独特の魅力があって大衆に受け入れられてきました。
授賞式では「百万本のバラ」を披露しました（上の写真）。久しぶりにシム・スボンさんの近況を伝える画像ですが、変わりなくお元気そうで、5月から始まる「2024シム・スボン全国ツアーコンサート」にも弾みがつきそうな今回の授賞となりました。

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早すぎる梅の開花
(2024.01.28)

家の前庭に続く梅林が2月を迎える前に早くも開花しました（上記写真）。気象庁の観測情報によると、福岡市では例年よりも20日も早い開花だそうで、独特の甘酸っぱい強い香りを楽しみながらも、ちょっぴり温暖化が心配になります。韓国でも同じで、済州島では1月15日に開花宣言となりました。
このまま地球が温まってしまうと、春と秋が抜けた2季節になってしまうのではないかという説も現実味を帯びてきそうです。そんな折、BS171で2月7日（水）の22時から放送された番組「居間からサイエンス」の内容「太陽光から燃料を！人工光合成」に釘付けになりました。関西学院大学の橋本秀樹教授が研究を進めているもので、空気中の二酸化炭素と水と太陽光を資源とし、微生物の力を借りて人工光合成を行い、水素と酸素とメタノールを生み出すという最先端の科学技術だそうです。もしこれが実用化されれば地球温暖化の元凶とも言える化石燃料を使わないで済むことになり、ノーベル賞受賞が確実と言われています。
宇宙船地球号に乗っかって旅しているわれわれ人類は、今その薄皮饅頭の皮のような極薄の大気層の中で、温暖化につながる二酸化炭素を排出し続け、さらには同胞の殺し合いまで恥ずかしくもなく平然と行っています。一方では、科学技術者が地球を救おうと日夜コツコツと歩みを進めています。人間も捨てたものではないと彼らが証明してくれているようで嬉しくなりました。

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5年振りの韓国旅行
(2023.11.22)

コロナ騒動がようやく沈静化して、韓国への渡航も制限なく自由になりましたので、5年振りに韓国旅行に行ってきました。年末までシム・スボンさんのコンサート開催の情報が入ってきませんでしたので、厳寒のソウルを迎える前に所用を済ませることにしました。
まず、旅行の準備が大変でした。スーツケースのカビ掃除に始まって、これまで培ってきたフリーツアーのノウハウを最新バージョンに置き換える作業が膨大でした。
仁川空港からソウルの中心部にあるホテルまで、夕暮れ時の、漢江沿いを走るリムジンバスの車窓からの眺めはしみじみとしたものでした。
今回は、4日間の短期日程でした。訪韓翌日におおかたの所用をすませ、帰国の前日に上記写真の韓国の旧大統領官邸、青瓦台（チョンワデ）を訪ねました。ここは、2022年5月に就任した尹錫悦（ユン・ソギョル）大統領によって市民に解放されました。北岳山（プガッサン）を背景としたコバルトブルーの瓦屋根が美しく特徴的な建物で、静けさの中に威厳のある佇まいでした。予約なしで、パスポートを提示するだけで豪華な館内をくまなく鑑賞できます。
限られた時間のなか、通い慣れた韓国料理店をなん軒か再訪し、また、所用を済ませるために街中を歩き回りました。そうした中で今回もまた真実親切な韓国の人達に何人かお会いできました。南大門（ナンデモン）では、生活雑貨店の店主が、私達の2回目の訪問で帰ろうとするとき、わざわざ電話注文で天然オレンジジュースを取り寄せて飲ませてくれました（下の写真）。歩き疲れの喉に人情が沁み渡りました。

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チロちゃんカレンダー（その2）
(2023.09.10)

熱帯夜がいつまでも続きそうな日々から、どこからともなく秋の気配が漂ってきて朝晩はめっきり過ごし易くなってきました。
この写真は、「チロちゃんカレンダー」の9月版です。このコーナーの7月版（2021.07.04掲載）に続いてのご紹介です。チロも、チロの尻尾につかまっている藤井旭さんも、お月さんも皆笑顔で、その表情がとてもよく刺繍されていて秀逸です。昨年の暮れに他界された藤井旭さんが、冥界で再会した愛犬チロちゃんとススキが原に掛かった中秋の名月を愛でているようにも見えて微笑ましくなります。これは藤井旭さんの無二の友人、冨岡啓行さんの奥さんから大昔に贈っていただいたわが家の宝物の刺繍カレンダーです。今年の中秋の名月、9月29日（金）は、藤井旭さん好物の薄皮饅頭を「月見団子」としてお供えして---、などと思案しています。
まだ日中の猛暑が続いていますが、この夏の一番の思い出は、わが家のツバメが天敵の蛇に襲われることなく無事に巣立っていってくれたことです。最初4羽と数えていましたが、成長につれてよく見ると5羽が狭い巣にひしめいていました。巣立ちの後、子ツバメたちはしばらく巣の周りをうろうろしていましたが、ある日親子が揃って来て家の周りを群舞した後、姿はまったく見かけなくなりました。また逢う日までと祈るばかりです。

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わが家のツバメが子育て中
(2023.07.20)

わが家のツバメが、まるでコロナ明けに合せたかのように3年ぶりに子育てを始めました。その間に巣は1/3ほどが自然崩壊してしまっていましたが、夫婦でアッという間に修復・出産・子育へと進みました。
今年は3月20日にわが家のツバメ1羽と初対面となりましたが、その後遊びに来るだけで子育てする気配がなく7月を迎えましたので内心安心していました。この"安心"の意味は、かつて子育て中の巣に蛇がトグロを巻いているのを昼中に発見したことがいまだにトラウマとなっているからでした。幸い私の発見が早く、蛇をすぐにほうきで叩き落としたので、4匹中の犠牲者は1匹ですみました。しかし、そのおぞましい光景には二度と出会いたくないというのが正直な気持ちでした。と言ってもツバメの夫婦は猛然と餌やりに休むことなく飛び続けています。よく観察すると餌を欲しがる黄色い口ばしは今回も4っつあります。なんとか巣立ちまで蛇から守らねばなりません。実は前回の事件では、昼中に来た蛇が生き残った子供達を夜にまた再び襲いに来ると踏んで、蛇が上がってきそうな壁面全面に荷造り用の紙テープを輪っかにした罠をしかけました。翌朝、おそるおそる窓を開けてみると、紙テープの罠に引っかかった長いロープのような蛇がぶら下がっていたのでした。こうして、紙テープ捕獲作戦で生き残った3匹の子ツバメは丸々と太って無事に巣立っていきました。
今回もこの紙テープ作戦で無事に巣立ってくれること、そしてまた来年に、はるか遠い渡りの地から無事な姿で戻って来てくれることを祈るばかりです。

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埼玉県蓮田市の「寅子石」
(2023.05.28)

この写真は埼玉県蓮田市馬込字辻谷の共同墓地にある、通称「寅子石（とらこいし）」と呼ばれている石碑です。延慶4年（1311年）に親鸞の高弟である真仏（しんぶつ）法師の供養に建てられたもので、表面には「南無阿弥陀仏」の字が大きく刻み込まれています。高さ4m、下幅0.8m、厚さ0.156mの板碑が周囲を田んぼに囲まれた小さな墓地のほぼ中央にそそり立っていました。ちなみに「寅子石」とは、地元で伝承されている、ある器量よしの寅子という娘の物語によってそう呼ばれているそうです。
NHK総合2チャンネルの土曜日13時から放送された、「心の旅」「歎異抄にであうー無宗教からの扉ー」（全6回シリーズ）で講師をされた、明治学院大学名誉教授、宗教学者の阿満利麿さんが、第二回の締めくくりに本願念仏の精髄を示す遺構として紹介されたものがこの名号板碑でした。一字一字ゴツゴツしていて、ものすごい力を込めて描いている、本願念仏のエネルギーが伝わってくるようで、いつも感動すると語っていました。
本願念仏とは、「どのような人であれ念仏ひとつで救われる」という教えで、「善人さえ往生できる、ましてや悪人ならなおさらだ」という、普通の考えかたとは真逆の意味も込められていて難解です。阿満利麿さんの解説では、善人とは厳しい修行のすえにたどりついた聖人、一方、悪人とは聖人までにはとても行きつけない私達凡夫のことと解釈し、その私達を皆念仏ひとつで浄土に導いてくれるのがこの教えとしています。なるほどと思いましたが、それでは極悪人のプーチンさえ南無阿弥陀仏と唱えれば救われてしまうのか、とやはり疑念が湧き上がってくるので凡夫にはまだまだ修行が足りないようです。

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シム・スボンさんの新アルバム
(2023.05.09)

2021年9月19日KBS2TVを通じて放映された「2021秋夕（チュソク）大企画咲き誇れ大韓民国シム・スボンコンサート」の実況をそっくり盛り込んだアルバム（上記写真）が昨年の暮れに発売されました。
さっそく購入して、先に録画した映像を見ながら聴いてみました。2枚組のCD1には13曲が、CD2には12曲が収録されていて、放送されたすべての曲が収まっています。シム・スボンさん自身も「私の人生の歌」になった舞台だと感激されたエッセンスが詰まっています。
日韓首脳が相互訪問する「シャトル外交」が12年ぶりに復活し、昨日からコロナの規制も解除されました。シム・スボンさんも4月と5月にコンサートの舞台に立たれて、これからますますのご活躍が期待されます。
明るいニュースが日々届いてくるようになりました。私達も今月6回目のワクチン接種を済ませる予定ですので、そろそろ韓国行きの旅行計画にも着手したいとワクワクし始めています。

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新しい年の始まり
(2023.01.31)

家の前の豊かな森が太陽電池設置のために大規模に伐採され、その森の周辺にわずかな生き残りとなった杉林にアオサギの群れがいつの間にか住みつきました（上の写真）。それも冬の到来とともに暖かい住処に渡っていって、代わりに色の配色に目が奪われるオスのジョウビタキが毎年やって来てくれます（下の写真）。新しい年を迎えても元気に庭の小枝を飛び回っていて、つられるように庭続きの梅林の梅花がほころび始めました。
新春を寿ぎたいところですが、昨年暮れの28日に藤井旭さんの訃報が突然に届きました。まだ30歳代のころの1970年に山にこもって撮影した「星野写真集」は、アマチュア天文家でも小型カメラの広角レンズで有意な写真が撮れることを世に初めて知らしめました。以来、天文民族学者の野尻抱影大先生に続く、アマチュア天文界の日本を代表する活動家として人望を集めてきました。81年の生涯でした。私は1973年6月30日のアフリカ・モーリタニア沖皆既日食ツアーの一員としてご一緒させていただいた縁で、以来50年間に渡って望外の温情をかけていただきました。自宅の天体観測所開設にあたっては口径20cmの反射望遠鏡の主鏡を九州の星野次郎さんに磨いてくれるように頼んでくれました。当時、鏡磨きの名人は木辺さんと星野さんとも言われていて、その名人の手磨きで完成した「星野鏡」は45年を経た今でも現役で健在です。また、1983年にはアウトドア派の天文情報誌「スカイウォッチャー」の創刊号にこの星野鏡が稼働しているわが家の日棚観測所が藤井さんの口利きで掲載される運びとなりました。
藤井さんは人を差別することが一切ありませんでした。一介のセミアマチュアともいえる私のような者にも分け隔てなく接することが常でした。このような長州人の気質にアマチュア、専門家を問わず人が吸い寄せられ、藤井ワールドが花開いたように思います。年明けの1月6日、7日の葬儀から精進落としまで参列させていただいて、あらためて"大いなる人"への尊敬と感謝の気持ちを遺影に捧げてきました。

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秋の始まりと韓国旅行への想い
(2022.10.11)

数日前に秋のうろこ雲が澄んだ青空一面を覆いました。この写真はつるべ落としの秋の日が沈んだ西空の様子です。秋の季語にもなっているうろこ雲は、その雲の形から、さば雲、いわし雲、ひつじ雲などとも表現されていて、昔から、「うろこ雲（いわし雲）が出たら3日のうちに雨」「ひつじ雲が出ると翌日雨」などの言い伝えがあるそうです。
すっかり涼しくなった朝晩の空気に触れるとなぜか遠くに旅行したくなります。今年の暮れにシム・スボンさんのクリスマスディナーが開催されるかどうかは不明ですが、明るいニュースがありました。今月の1日から、韓国への入出国に際してのPCR検査が不要となりました。また、今日から日本への入国時検査も不要となりましたので、ワクチン接種証明書と事前のWeb手続きのみで韓国に行って帰って来ることができます。
高く透き通った秋の夕空を、軌跡を赤く染めた飛行機が一機西空へと飛んで行きました。コロナから少し解放されたようなうきうきした気分になりました。

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大暑の花々
(2022.07.23)

今日は二十四節気の大暑、一年で最も暑さが厳しい時期とされ、それが今年は大当たりとなってしまったような猛暑が続いています。
この暑さにめげず庭の白ユリがパッと大輪を咲かせました（上の写真）。花言葉は「純潔」「威厳」だそうで、盛夏の鮮やかな緑の中で、その清らかな白さと大きさが際立っています。ことわざにある「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」、ややうつむき加減に花を咲かせ、風をうけて揺れる様子が、まるで女性が優美に歩いているように見えることからたとえられた百合の花、茎にまだ沢山あるつぼみの数だけこれからも楽しめそうです。
白ユリと対照的な赤バラもまた緑に映えます（下の写真）。地中から吸い上げた赤とは信じられないほどの真紅の花びらに感動します。
この赤バラを見ると、シム・スボンさんの歌、「百万本のバラ」を想起します。コンサートでこの曲が始まると、映像が舞台一面に赤いバラの花びらを舞い散らせる華やかさと、一方で終演間近となる寂しさもまた知らされます。日本ではロシア民謡として知られているこの曲にシム・スボンさんが新たな詩を付けました。"遠い昔ある星で　私が生を受けたとき　愛を与えておいで　小さな声を聞いた"で始まる詩は、終節の"あなたと一緒ならば　さらに多くの花を咲かせ　一つとなったふたりは　永遠の星へと戻る"、と続きます。ロシア民謡の原詩とはかけ離れたテーマに変えながら、むしろ舞台で聴くほどにそのメロディーに引き込まれてしまうのは、シム・スボンさんの作詞の才能の豊かさにあるのかもしれません。
時折に涼しい風が渡る夕暮れ時の散歩道、強いユリの香りに傍らの藪を探すと、大輪の白ユリが見つかりました。白い浴衣姿の乙女がこちらに向かって歩いてくるようでした。

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韓国料理と地酒巡り
(2022.05.18)

5月の大型連休が明けてほぼ2週間が経ちました。

久し振りに行動制限が緩和されて、鉄道も飛行機も大混雑した後の感染者数が心配されましたが、今日時点では幸いなことに落ち着いて見えます。
それでも、まだ韓国への自由な往来ができませんし、例年、5月8日前後に開催されていたシム・スボンさんの父母の日記念ディナーショーも案内がありませんでした。そこで、もう2年以上韓国にもコンサートにも行けない鬱積を晴らすために遠距離ドライブがてら街中のレストランや酒蔵を巡ってきました。
上の写真は、水戸市京成百貨店の9階にある韓国料理店「妻家房（さいかぼう）」で注文した石焼ビビンバとパチジミセットです。韓国の食堂でよく驚く副菜のおかずの多さには届きませんが、ちゃんとキムチ、チャンジャやワカメスープ付きです。店内は平日にかかわらず盛っていて、運ばれていくプルコギや冷麺にも未練が残りました。それでも食中しばしの間韓国に旅している気分が味わえました。
下の写真は、同じ水戸市の街中にある酒蔵「明利酒類（株）」の「別春館」入り口です。別春館の名は、お酒をこよなく愛した江戸時代の水戸藩第二代藩主の徳川光圀公（水戸黄門さん）が″杯の中には別の春がある″と詠った故事に由来しているそうです。その水戸黄門さんの巨大な像がテレビドラマで有名になった印籠を左手にかざした姿で出迎えてくれています。この別春館の2階は資料室になっていて、明利酒類（株）を有名にしている小川酵母「協会10号酵母」の開発の歴史などが展示されていました。当社の小川博士が開発したこの小川酵母と光圀公が造らせた笠原水道伏流水の良水を使って生み出される清酒「副将軍」は全国新酒鑑評会で何度となく金賞を受賞しているそうです。この銘柄「副将軍」はもちろん、お酒をこよなく愛した天下の副将軍「水戸光圀公」にちなんで名付けられました。
韓国気分が消えないうちに帰宅して、購入した「副将軍　純米吟醸　夏酒」で別春の盃を重ね、束の間、コロナの憂さ晴らしとなりました。

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平和な春の訪れ
(2022.04.08)

暖かい日が続いて、ここでは、ウグイスの初鳴きが先月の27日に、ツバメの初見えが一昨日の4月6日にあって、冬の厳しい寒さが嘘のような日和になってきました。わが家の前庭続きの梅林にはまだ紅梅が残っていて、その花をつつきにいろいろな野鳥が訪れています（上の写真）。
何日か前に東京上野公園の桜が満開となり、今日になってわが家の桜が開花して春の香りが漂ってきました（下の写真）。この桜木は大きくなり過ぎたので10年前に子供の背丈ほどに切り詰めたもので、今では内は空洞となってしまってほとんど樹皮ばかりの老木ですが、それでも毎年小枝に可憐な花を咲かせてくれています。
日本列島を北上する桜前線の速度は平均でおよそ時速1kmだそうで、カメが前進するスピードより速く、人が歩くスピードよりやや遅い程度と言います。
桜前線が通り過ぎた上野公園の桜の回廊をウクライナから避難してきたばかりのご婦人が日本在住の娘さんと散策している姿が報道されていました。一見、平和な日本を自慢したくなる光景でしたが、一方で、そのご婦人が受けた戦禍の屈辱に思いを馳せると、私達の無力感に心が痛むのでした。

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シム・スボンオンラインコンサート
(2021.10.17)

韓国KBS2による「2021秋夕（チュソク）大企画咲き誇れ大韓民国シム・スボンコンサート」の録画がこの10月15日（金）にKBS Worldから日本語訳付きで放送されました。非対面（アンタクト）の観客1,000名がテレビ画面で熱烈な声援を送るなか、KBSの総力を挙げた華麗な舞台に国民的歌手シム・スボンさんの魅力が満開となりました。
大オーケストラ、大合唱団、大舞踏団が彩るおよそ2時間の豪華絢爛な舞台でしたが、全体を通しての印象は、音楽によって救われたシム・スボンさん自身の波乱万丈な人生行路を歌と語りで辿るものとなりました。
「あなたには私が居るじゃない」の曲は、絶望の中で幻のように聞こえた癒しの声をそのまま曲名にしたそうです。私達も2010年10月24日（日）に初めてシム・スボンさんのご自宅MORIAHに伺ったときに天からの声が聞えてこの曲を作ったとおっしゃっていました。
また、特に印象深かったのは、「祖国よ」を歌う表情（上の写真）でした。この曲は2年前に亡くなられたお母さんの分断された故郷・北朝鮮への望郷の想いを込めて作られたもので、お母さんへの強い思いが直接こちらに伝わってきました。さらに、お母さんの念願であった南北統一の希望を込めて、朝鮮民謡「アリラン」と「愛国歌」とを合せて自らが作詞・作曲した曲を披露しました。長編の意味深い詞をピアノ弾き語りで披露し、エンディングは南北融和を込めたアリラン民族"万歳″でした（下の写真）。
すべて日本語の字幕付き歌詞と会話で見られた感動は目からウロコでした。これまでは日本語歌詞の分からないまま心地よさで聴いていたアルバムのCD曲もその歌詞の意味の深さを理解するほどにますます魅力的になりました。
このコンサートでコロナ禍の閉塞感に希望の光を差し入れたいとして企画したKBSの狙いも今回十分に達成されたように思います。

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秋の花、朝顔の群生
(2021.10.03)

朝顔は夏の花と思い込んでいたのが、昨年に植えた朝顔「天上の青」が秋に入ってもますます元気に咲き誇っているのを見て、初めて俳句の世界では秋の季語として使われていることを知りました。
この写真はわが家の2階から撮ったもので、地上から藤棚を這い上がった朝顔が藤棚全体を覆いつくした後、勢い余ってさらに地上に向けて垂れ下がった様子です。朝陽が上ってくると「天上の青」の一輪一輪が透けて、それこそ、この花の花言葉「儚い恋」のような魅力的な薄青色に染まります。花が咲き始めの頃は数えられるほどのものが、いつの間にかこのように群生してくれて壮観です。
深まる秋とともに消えていくのがこの花の定めですが、今日現在はまだまだ賑やかなざわめきが聞こえてきそうです。

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チロちゃんカレンダー
(2021.07.04)

この写真は、わが家が大切にしている物の一つで、星仲間の冨岡家からいただいた「チロちゃんカレンダー」です。チロちゃんとは、天体写真家であり、作家、雑誌編集者でもある藤井旭さんの愛犬で、チロ天文台の「イヌの天文台長」としてとても有名でした。1981年に亡くなりましたが、その後、藤井旭さんが1984年に出版された「星になったチロ」、そして1987年の「チロと星空」が子供にも大人にも広く愛読され、最近まで増刷を重ねるほどの人気です。
このチロちゃんを題材として刺繍カレンダーを作製されたのが、藤井さんとは特に親しい星仲間の冨岡啓行さんの奥さん克子さんです。この写真は今月7月のカレンダーの全容です。上半分は今月のテーマ「七夕飾り」の図柄となっていて、チロちゃんの首輪部分には本物の鈴が付けられています。下半分がカレンダーとなっていて、曜日だけ月毎に張り替えるように工夫されています。毎月変わる図柄も楽しみですし、特に表情豊かなチロちゃんに仕立てた刺繍の腕前にいつも感心しきりです。
1枚の図柄を仕上げるまでの気の遠くなるような手間を考えると、これの12倍の時間をかけて作って贈っていただいた訳で、いつも見るたびに頭が下がります。
今年ももうじき七夕を迎えますが、例年この季節の梅雨に織り姫（こと座の1等星・ベガ）と彦星（わし座の1等星・アルタイル）の逢瀬が邪魔されてしまいます。しかし、韓国ではこの日に織女と牽牛が1年ぶりに会ってうれし涙を流すため絶対に雨が降ると信じられていて、その日の晩に雨が降ればそれは織女と牽牛が流すうれし涙、2日間夜に雨が続けば別れを惜しむ涙だと言われているそうなので慰めになります。

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不思議な物語の榊(2021.05.03)

この写真は、わが家の芝生の庭の一角に住処を得ている2本の榊（サカキ）の木です。新芽が出て元気いっぱいの姿ですが、昨年には知らない間にカイガラ虫が群生して枯れそうになったところを高知県の中央西林業事務所の安田さんという専門家に対処法を教えてもらって生き延びることができました。実はこの榊たち、何年か前に突然何もない庭の芝生からひょろひょろと生えてきたものです。それも、これまでわが家の玄関先で元気にしていた太い幹の榊がその一年前に原因不明に枯れてしまったばかりのことでしたので、これは枯れた榊の生まれ代わりに違いないと大切にしてきました。榊といえば、日本では古くから神が宿る植物として神事に用いられています。この2本の榊が元気にしていてくれるお蔭でわが家の神棚には常に榊が絶えることがありません。
榊の木は元気なのですが、今年は異変を感じる出来事が続いていて気になっています。一つ目は、ツバメの様子です。今年、わが家に帰って来てくれたツバメはたったの1羽だけです。近くの大型スーパーには例年大勢のツバメたちが賑やかに飛び回っているはずですが、ここにもほとんど、まったくといってよいほどその姿を見かけません。不気味なほど静寂です。二つ目は、わが家の藤棚です。例年は見事な薄紫の花がしだれ、それに大きなクマバチが数匹何処からともなく現れてブンブン飛び回ります。藤が開花すると同時に出現するこのクマバチの生態をいつも不思議に思っていましたが、それが今年はまったく姿を見せないうちに花は散ってしまいました。花の姿形・色がとても貧弱だったことも気になります。そんなこんなが地球温暖化による気候変動という大枠のなかの一つの現象なのかもしれませんが、コロナ禍の変異型の脅威も出てきて何やら不穏です。
それでも季節は風薫る五月。3密を避けて若葉繁る近辺の里山散策などに今風の日常を見つけようとしています。

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東北復興応援の旅(2019.04.23)

陸前高田市の「桜ライン311」プロジェクトの活動の様子をスタッフの方に詳しく案内していただきました。「桜ライン311」とは、東日本大震災で発生した津波の最大到達地点に桜を植樹し、津波の記憶を後世に伝え残すために活動している認定NPO法人です。この写真は浄土寺境内に2011年11月に初めて植樹された一期生の河津桜の桜ラインとその向こうに広がるかさ上げされた街の現在の様子です。約170kmにおよぶ津波最大到達地点に桜を植え、津波による人命被害から次の世代を守ろうとしていました。

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東北復興応援の旅(2018.07.23)

2015年12月にオープンした女川町本設商店街「シーパルピア女川」の15m幅のメイン通りとその先に眺望される女川湾の様子です。かさ上げされた新生の土地の上に、デザインされた夢溢れる街並みが整っていて多くの人達で賑わっていました。この通りの真正面の海から上がって来るという朝日、950人を超えるという津波犠牲者の命をつなぐ輝きで毎日商店街の復興を後押ししてくれているように想像しました。

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東北復興応援の旅(2017.04.24)

大槌町復興のシンボルとなっている大槌湾内に浮かぶ小島「蓬莱（ほうらい）島」の全景です。この蓬莱島は作家の故井上ひさしさん原作の大人気テレビ人形劇「ひょっこりひょうたん島」のモデルとなった島でしたが大津波をまともに受けてしまいました。地元の方々の必死の努力で見事に復活した今の姿に大槌町の人達の心意気を感じました。

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東北復興応援の旅(2016.10.24)